商品誕生ストーリー「"スカーフ"のようなカシミヤ」
「スロンティングストール」と聞いて「あぁ、あれのことね!」と思い浮かぶ方は少ないかと思います。
なぜなら、このアイテムは「天使のストール」と同じくUTOのオリジナル商品だからです。
スカーフのようなストール
「端が斜めになった素敵なストールを作りたい」
「世界にありそうでない」
昔ある時、“スカーフ”を見てふとそんな気持ちになりました。
なら、ニットの端を斜めにするにはどうしたらいいか?
「カットするしかない」
「カットしたらニットだからほつれてくる」
「ほつれない為には、折り曲げてまつるか、何かつけるか」
どの方法も美しくない、、どうしよう、、
それから3年が過ぎ…ある日ひょっと思い出しました。
昔、英国製のニットは斜行して困ったことを。
斜行する英国製のニット
なぜ英国製のニットは斜行したのか?
その答えは、ニットを作る時普通は双糸(2本の単糸を撚った糸)を使うけど、昔イギリスでは単糸を使っていたからでした。
「単糸で編んだら、ひょっとしたら斜めになるかも?」
そこから「斜めのストール」の開発がスタートしました。
ただ、完成までとても大変でした。
職人と重ねた、細い糸への挑戦
「単糸は日本にあるのか?」
「紡績屋さんに双糸加工する前の糸があるはず...あった!」
探していた糸が見つかり、電話でさっそく手横の職人さんに相談。
「果たしてその単糸で編めるのか?」
「当然、難しいよ!番手違いで糸が弱いから切れるよ」
糸を持って職人さんを訪ね、直接頼み込む。
「何とか編めないですか?」
来られたら、無下に断れないのが職人さんです。
糸を触ってもらい「ひょっとしたら編めるかも?」 と。
とにかく編んでみてもらう。
最初は恐る恐る、、糸が切れないように手加減しながら編む。
「オォ!編めるよ!すごい!(嬉しい)」
「仕上げてもらって完成!!ヤッター!」
「でも職人さんが一枚一枚編んだら高額品だ、、大体4万円〜5万円で秋冬ストールと比べると2倍以上の価格になる。」
「機械で編み、クオリティはそのままに求めやすい価格にできないだろうか?」
今度は岩手にあるUTOの自社工場へ。
「そんなに細い番手違いの糸は、手横では編めても機械は引きが強いので難しいと思います。でもやってみます!」
「従来の2台の編み機では成功しませんでした。」
「でも、、新しく導入した編み機なら編めます!」
「編めても端が斜めなので、仕上げが大変です!」
こうして試行錯誤を繰り返して、なんとか端が斜めのカシミヤニットストールは完成しました。
2013年のことです。
名前は“岩手県”の方が命名
愛称を!
北上市役所に相談し、北上市民と岩手県民の皆さんから応募。
30通もののご応募があり「SHIRAYURI STOLE」「結花」など素敵なネーミングをいただいた中、盛岡市・矢羽々さんの「スロンティングストール」に決定しました!
透けそうなほど薄く、美しく輝くストール
もともと斜めにしたい!想いから始まり長い物語の末に完成したスロンティングストール。
透けてしまいそうなほど薄く、2本ですら繊細なカシミヤの糸を1本に 、それはもう、うっとりするほどのやわらかさです。
今ではカシミヤの「秋冬素材のイメージ」を払拭して、春~秋にも包まれたいカシミヤストールとして好評をいただいております。